私は、「あの日」までスポーツとは無縁の人間でした。テレビのスポーツ中継のせいで、見たいテレビが見られない。かけっこをやらせても、バスケをやらせても、人の足を引っ張ってばかり。スポーツは私にとって、“嫌なもの”以外の何物でもなかったのです。しかし、そんな私の人生を大きく左右する出来事がありました。 それは、中学2年生の春のことです。新聞屋のおばちゃんが、地元開催のJリーグのチケットをくれたことがそもそもの始まりです。サッカーにもJリーグにも興味を示さなかった私でしたが、試しに友人と見に行ってみることにしました。 そこで見たものの何もかもが衝撃的だったのです。7万人収容の巨大なスタジアム、選手を一生懸命応援するサポーターの熱気…。そして何より、ただひたすら一つのボールを追いかけ、勝利に向かって90分間戦い続ける選手達。私は、自分自身がその選手達やサポーターと、同じ空間や時間を共有していることに感動していました。「生でスポーツを見るってこんなに楽しいことなんだ」。この日、スポーツに対する私の価値観は完全に覆ったのです。 その日を境に、私のサッカー狂が始まりました。ひいきのサッカーチームが地元で試合をすれば必ずスタジアムへ足を運ぶ日々。毎日毎日サッカーのことばかり考えていました。サッカーの審判員の資格を取得し、高校時代は女子サッカーのチームに入り、苦手だったスポーツに再挑戦しました。やはり、サッカーとの出会いは私の「人生を変えた」といっても過言ではないのです。 「スポーツが好き」という気持ちの根底には、試合を生で見ることの喜びがあります。この気持ちは初めてサッカーを見に行ったときから変わっていません。この部に入部して、数え切れないほどの取材に行きましたが、選手との距離が近いこともあり、その気持ちは増すばかりです。サッカーのゴール裏でカメラを構えていれば、選手の息遣いや掛け声、その表情を目の前で感じることができます。スピードスケートでは、カツーンカツーンという氷を削る音や、選手が切ってくる風を肌で感じることができます。選手と同じ空間にいることを感じられる時。それがスポーツ好きとしての、そして記者としての、私の至福の瞬間です。やっぱりスポーツはLiveが最高なのですから。 ▼2年半にわたり連載してきた「私とスポーツ」ですが、今回を持って終了とさせて頂きます。ご愛読ありがとうございました。10月開始予定の新連載コラムにご期待ください。