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第480号 水泳部男子総合3V

  明大スポーツ  ホイッスル

 「やばい」。今の日本語にこの言葉以上に便利な言葉があるだろうか。一言で状況によって良い意味も悪い意味も表現してしまう。時にはこの言葉だけで会話を成立させてしまうことすらできる◆夏休みを利用して、長崎と台湾を旅行した。全く別の場所に別の友人と行き、その時々で違った感動を覚えているはずなのに、私たちの会話の大半を占めるのは「やばいね」その4文字だった◆「やばい」とは本来、悪い状態を表す言葉として使われていた。しかし、90年代から若者の間で「すごい」の意味が派生し、今では美しさ、かわいさ、おいしさまでもカバーしてしまう。行間を察し、空気を読むことが得意な日本人特有のものだろう◆言葉は時代の経過とともに変化していく。それは時代ごとの人々の生活が反映されるからであって、決して悪いことではない。もちろん、時と場合によって正しい言葉遣いを心掛ける必要はある。しかしその「正しい言葉遣い」もまた時代によって変わっていく。言葉の変化はもはや誰にも止めようがないのかもしれない◆夜に降る雨は小夜時雨。桜の季節に降る雨は花の雨。「雨」一つとっても、関連する言葉は約100個あるといわれている。一見区別する意味がないようなその言葉たちには「やばい」の一言では言い尽くせない奥深さがある。「やばい」の陰に隠れて消してしまうには惜しい言葉が日本語にはたくさんあるのだ◆学生記者として、人に言葉を使って伝える立場にある私。自分の追っている選手が日本一になったあの瞬間は「やばい」などという単純な世界ではない。その感動をより正確な言葉で伝えるために。そろそろ「やばい」から距離を取ってみようと思う


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