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100安打目を放つ山


山俊『1』〜未知への挑戦〜  (3)安打の軌跡A 100安打、そして記録への挑戦  

 東京六大学リーグ通算127安打。48年前に高田繁氏(昭43農卒)が打ち立て、幾多の名選手が超えることのできなかった記録を約半世紀の時を経た今年、山俊外野手(文4=日大三)が塗り替えようとしている。4年春までに積み重ねた安打数は117本で、新記録樹立まで残り11本。これまで1シーズン平均約17安打を放っており、通算127安打超えは射程圏内だ。「何でも1番になる」と志願した背番号『1』。そして見据える先はまさに、未知の領域。伝説を作る日は刻々と近づいている。
 数字の重圧と戦い始めた。通算安打記録を1本上回る数字である128という数字をバットのグリップエンドに刻むようになった3年春。目指す数字を明確にして迎えた3年次は、春秋それぞれ19安打を放つ活躍ぶり。自己最多タイとなる20安打には惜しくも及ばなかったが、圧倒的な存在感を示した。そして遂に迎えたラストイヤー。4年春には徐々に迫ってくる偉大な選手たちの記録に並び、追い越し、それでも「見ている数字が違う」と自らを鼓舞し続け、117安打まで積み上げた。

<3年次(2014年)>
 100安打まであと38安打とし、背番号38を付けて迎えた3年春。開幕カードの東大戦では2試合で1安打と湿りがちだったが、2カード目の慶大戦で打棒が爆発。3試合で7安打を放ち波に乗ると、その後もコンスタントに安打を量産。「ボール球を振らなくなった」と好調を維持し、打率は1年春以来の3割台、さらには自身3度目のベストナイン受賞と飛躍のシーズンとした。シーズン終了時には通算81安打と、安打数現役トップに躍り出た。

 「ヒットを20本打つ」と強く意気込み臨んだ3年秋。山は背番号を20に変え、通算100安打達成へ序盤から驚異のペースで歩み寄る。開幕から8試合連続で安打を放ち、計14安打。100安打まで数本に近づいてからは「考えすぎて結果が出なかった時もあった」と振り返るが、調子を落とすことなく最終戦で偉業を達成。怪物・山俊の名を六大学史に刻んだ。
 神宮の杜が歓喜に沸いた。100安打まで、あと1本として迎えた立大4回戦。5回に迎えた3打席目、田村(立大)の直球をはじき返し遊撃手の頭を越えた打球は、左前への安打となった。この1本で、3年次では史上初となる通算100安打達成。前日の3回戦ではボール球に手を出す場面が目立ち、無安打に終わっていた。それでも重圧に負けることなく「昨日の反省を生かしてしっかりボールを見極めた」。持ち前の修正能力を発揮した一打だった。

イチローを彷彿(ほうふつ)とさせるルーティンも<br>いつしか代名詞となった
イチローを彷彿(ほうふつ)とさせるルーティンも
いつしか代名詞となった

<4年春(2015年)>
 きっかけは冬のオフ期間だった。2014年の年末、次の背番号をどうするかを記者から尋ねられた。その時には何も浮かんでいなかったという山だが、数日のオフの間に考えると、年始の練習始めに善波監督に背番号1を希望することを申し出た。「安打を何本打つとかだけではなくて、何でも1番になりたいと思ったんです」。野手が1番を付けることは極めて異例だが、山の強い意志を汲んだ指揮官は申し出を受け入れた。
 晴れて「1」を付けた山は偉業達成へさらに歩みを進める。考えながらの打席が増え、無安打に終わる試合も増えたが、序盤に1本が出た試合では固め打ちを見せ、3カード目の法大2回戦では1本塁打を含む4安打と大爆発。「調子がいいときも悪いときも、どんな形であれヒットを打つ」。終わってみれば打率は3割3分3厘と、打者としての幅が広がったシーズンとなった。

 4年春を終え、岡田彰布(元阪神ほか)に並ぶ歴代6位タイの117安打としながらも「もう少し打てた」と自己評価は厳しかった。目標とする数字はさらに先。「最後のシーズンなので、チームのための1本を」。ラストシーズンに懸ける思いは強い。


山 3年、4年春成績
シーズン試合打数安打二塁打三塁打本塁打打点盗塁犠打四死球打率
3年春
14
56
19
.339
3年秋
14
53
19
12
.358
4年春
12
51
17
.333
通算
93
366
117
22
44
16
35
.320








次回の特集は9月13日(日)「記録を達成してほしい、達成させたい」 善波達也監督インタビューです。

[箭内桃子]

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