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丁寧に取材に応じてくれた渡辺


ボールパーク便り  ルーキー特集(8) 一流の人となれ 受け継いだ野球の血 渡辺佳明  

 
 毎年恒例の硬式野球部ルーキー特集。今年も全国からトップレベルの選手が入部してきた。その中でも活躍が期待される注目の選手を全8回にわたって特集する。

 「これが大学野球なのか」。今春リーグ開幕戦、1番サードでスタメン出場した渡辺佳明内野手(政経1=横浜)はそう思いながら神宮球場のグラウンドを360度見渡していた。球場内の観客の視線がその第一打席に注がれる。小刻みに揺れたバットがあいさつ代わりの一打をセンター前へと運ぶと、初打席初安打を記録。「自分のバッティングができた」と塁上で喜びをかみしめた。

 グラブをはめることにも、バットを握ることにも理由は必要なかった。今夏を終えて横浜高校野球部監督を勇退した渡辺元智氏を祖父に持つ。甲子園に春夏合わせて29回出場、優勝5度、歴代3位タイとなる通算51勝の成績を誇る、いわずと知れた名将だ。その影響で自然と野球を始め、野球漬けの毎日を送っていた孫・佳明。母親が寮母だったということもあり、幼少期から寮で遊んだりと野球部に慣れ親しんでいた。そんな無邪気な野球少年にもいつしか夢ができる。「祖父と一緒に甲子園に行きたい」。その一心でたたいた強豪の門、袖を通した横浜高のユニフォームだった。

 努力の結晶だ。入部当初に周りを見渡すと、そこには淺間大基、濱祐仁(ともに北海道日本ハムファイターズ)、川口凌(法大)ら実力者ぞろい。目の前にあったのは、傍から見ても感じていたレベルの差だった。「追い付いて追い越さないといけない」。その努力を一瞬たりとも惜しむことはなかった。汗を流し続けた毎日、渡辺は攻守両面で確実な成長の跡を示していくこととなる。その裏には祖父からのどんなに苦しい時でも「自分を貫け」との言葉の支えもあった。そしてつかんでみせたファーストの定位置、その先の二度の甲子園出場。「夢が叶ったんだな」。祖父孫鷹となって初めて聖地の土を踏んだ時、その思いが溢れ出した。
 高校時代で一番印象に残っている試合は最後の夏、準決勝・東海大相模高戦での敗戦だ。下級生の頃から主力として活躍していた選手たちに周囲の期待も当然のように大きかったが、その夢は横浜スタジアムで終わることとなる。それでも3点差で迎えた9回表ツーアウトから川口、濱、渡辺の3連打でスコアボードに刻んだ「1」の数字は渡辺にとってかけがえのないものであった。全ての面において成長することのできた高校3年間。横浜高校で学ぶことのできた「細かい野球」は大きな強みとなっている。

打率を残しレギュラーをつかんでみせる<br><
打率を残しレギュラーをつかんでみせる

 「目標がその日その日を支配する」。これは横浜高出身の選手が必ず口にする言葉だ。渡辺監督の座右の銘であり、佳明もその言葉が書かれた直筆の色紙を部屋に飾っている。48年間、横浜高を率いて高校野球の一時代を築いた名将の勇退には「お疲れ様の一言です」。監督自身も何度も引退を考えていた時期はあったが、それを踏みとどまらせたのもまた佳明の存在だった。「これからは指導者でなくて関係者として自分のことを見て評価してもらいたい」。大学での初安打には「おめでとう」の一言をもらった。時に厳しく、時に温かく、どこまでも続いていく祖父孫鷹の二人三脚に今後も注目だ。

 活躍の場は次なる舞台、神宮球場へ。「大学野球をやるなら六大学の明治」という思いを強く持っていた渡辺。念願の明大入りを果たすと、春季リーグ戦では計6試合に出場。大学から始めたサードの守備も軽快にこなし、打席に立てば5安打と期待値の高さをうかがわせた。現状も白紙状態である内野陣の定位置争いに「一日でも早くレギュラーを獲得したい」と名乗りを上げた渡辺。力強い口調で話したその眼差しは、不動のレギュラーだけを狙っている。目指すのは「流し打ちやセンター前を意識した、単打で打率を残していける」選手だ。ここまで「順調にきている」と自身が手応えを口にすれば、上級生たちの口からも台頭している選手に渡辺の名が挙がる。この選手はどこまでやってくれるのだろうか。そんな期待を自然と抱いてしまう後ろ姿は、今日も元気よくグラウンドに飛び出していった。

[土屋あいり]

◆渡辺佳明 わたなべよしあき 政経1 横浜高出 178p70s 右/左 内野手
最近はまっていることの問いには「プロでの淺間、濱の活躍を定期的に見ること」。他大で対戦してみたい相手の問いにも「やっぱり川口(法大)と松ア(立大)と一緒にやりたい」。渡辺の横浜魂がひしひしと伝わってきた。

今回のルーキー特集はいかがでしたでしょうか。
硬式野球部1年の皆さん、快く取材に応じていただきありがとうございました。
秋季リーグ戦からの皆さんの活躍を期待しています!


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