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どん欲にゴールを狙う小川


PASS〜顔と顔をつなぐ〜  NO.10 小川佳純  

 選手一人ひとりの人物像に迫る『Pass〜顔と顔をつなぐ〜』。第10回は4年生の最後を締めくくる、MF小川佳純(商4)選手だ。
 『大器晩成』――。小川は自身の明治でのサッカー生活をそう表した。エースとして部を支え続けた彼がこの4年間で培ったものはとても大きく、とても大切なものだった。

明治、永遠のエース

 小川の前には、初めからスタープレーヤーへの道が用意されているわけではなかった。高校はサッカーの名門・市立船橋高。普通科に通い、サッカーと勉強を両立していた彼の周りには、うまい選手はたくさんいる。そんな中、レギュラーの座をつかみ取ったのは高校最後の年、3年生の時だった。そして選手権大会・決勝で、Vゴールとなる27m弾を放つ。一躍、その名を世間にとどろかせた。

 期待のルーキーとして明治大学に入学した小川は1年次からリーグ戦出場を果たす。それは自然と小川に変化をもたらした。今まではプレースタイルがはっきりしなかったが、試合をこなすごとにプレッシャー、判断のスピードが速くなったことで解消。何より初めから試合に出させてもらっていることが、「チームを引っ張っていかなければいけない」という責任感を生んだ。その責任感が小川をゴールへとどん欲にさせ、関東リーグ1、2を争う点取り屋へのし上げた。

 しかしそんな責任感からだけで小川は練習、プレーに励んでいるわけではない。単純にチームのことを誰よりも強く思っている。だからこそあの時、普段冷静な彼も涙を流さずにはいられなかった――。1年次、対国士大戦。総理大臣杯出場を懸けた大事な1戦だった。前半の中盤まで3−0と明治が圧倒的有利で試合をおし進めるが、松ヶ枝(平17政経卒・現ジェフユナイテッド市原・千葉)が退場してから暗雲が立ち込める。後半に入り1点を返された明治は、コーナーキックでチャンスを得る。キッカーは小川。勢いよく蹴ろうとするがつまずいてしまい、蹴り直そうとしたその瞬間、笛がなった。その日2枚目となるイエローカードで退場。試合はその後、当時キャプテンだった大和田(平16政経卒・現水戸ホーリーホック)も退場し、2点決められPK戦までもつれ込み、ついに明治が劇的な逆転負けを喫してしまった。「つまんないことでチームに迷惑を掛けてしまった」と、小川は涙した。試合に負けて、初めて泣いた日だった。

 小川はこの試合以外、感情を表に出すことはおろか、「あれをしろ、これをしろ」と人に言うこともしない。「上を目指している人は言われなくてもやっているよ」。だから練習を黙々とこなし、試合では要としてチームをプレーで引っ張ってきた。たとえどんなに口数が少なくとも、小川はしっかりと背中で見せてきた。
 小川は4年間の努力が実り、来シーズンから名古屋グランパスエイトでサッカーに励む。「後輩にオレでもプロに行けるって見せることができて良かった」。『大器晩成』――。ほかのスター選手と違い、道のりは険しかったかもしれない。だが遅咲きのエースは明治で誰にも負けない、そして誰にも得ることのできないサッカー、人間の両面で成長を遂げた。「明治でやれたことを誇りに思う」と、胸を張って次のステージへ歩み出した。

◆小川佳純 おがわよしずみ 商4 市立船橋高出 173cm・67kg ★MF 背番号・10

☆次回予告☆
※第11回はDF上川雄三(文3)選手。「お笑い担当。これからもどん欲にお笑いを狙って、試合でも頑張ってくれ」(小川)とエールを送られた。4月から4年生になり、部を引っ張っていく立場となる上川に注目だ。


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