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飛翔 2011秋季リーグ戦  (4)ケガを乗り越え刻んだチームへの思い 田渕雄喜  

 ついに9月10日に開幕を迎える秋季リーグ戦。昨年、44年ぶりの1部昇格を果たした男子は、春季リーグ戦が中止になったため1部で実力を試す初の機会だ。一方、女子も男子に負けまいと春季リーグ中止で一層士気を高め、1部昇格を目指して今回のリーグ戦に挑む。そんなバドミントン部の注目選手を全6回に分けて紹介する。
 コート内に作られたチームメイトの歓喜の輪は、涙でにじんでよく見えなかった。昨年の10月に行われた、1部昇格を懸けた入替戦。明治は粘る筑波大を相手になかなか試合を有利に進めることができず、最終ゲームまでもつれる死闘を演じた。チームカウント2−2。お互いに絶対に負けるわけにはいかない場面だった。1部か、2部か。バドミントン部の運命を一身に背負って決戦のコートに立ったのは田渕(文4)だった。これを落としたら終わり――。しかしそんな不安を全く感じさせないプレーで21−8と圧倒的勝利を収め、見事チームを44年ぶりに1部へと導いた。一躍ヒーローとなった田渕。「応援してくれていた皆のために勝ちたかった」。チームの仲間のために勝ちたい。その気持ちが、田渕に歴史を塗り替えさせた。
シャトルを打ち込む田渕。真摯(しんし)に練習に取り組む
シャトルを打ち込む田渕。真摯(しんし)に練習に取り組む


 「きついことをやって結果が出るのが楽しかった」。幼いころから自分を追い込み、結果を残してきた。初めてシャトルに触れたのは小学校2年生の時。他のスポーツにはほとんど手を出さず、これまでずっとバドミントン一筋でやってきた。高校は名門・札幌一高に進学。そこで出会った成田元主将(平23法卒)の後を追い明治の門をたたいた。
 明治に入ってからもこれまでと同じく「皆と同じ練習じゃ勝てない」と人一倍練習に打ち込んだのが奏功し、下級生のころから活躍してきた。同時に、自分を極限にまで追い込んでしまうところも幼いころから変わっていなかった。昨年の東日本学生選手権。既に限界を迎えていた体にムチを打ち出場したものの、腰が悲鳴を上げた。目前に控えていた秋季リーグ戦へのエントリーは絶望的。「本当に最悪だった」。全力でやったが故のアクシデント。田渕にとってあまりに残酷すぎる出来事だった。

 しかし、ケガをしたからといって決して怠けたりしないところも彼らしかった。腰を痛めながらも積極的に練習に参加し、他の部員のサポートを行った。そこで見えたのは、歯をくいしばってシャトルを追う仲間の姿。自分が練習しているときは気付くことのできなかった光景を目の当たりにし、田渕の中にも変化が訪れたという。「皆が頑張っている姿を見て、これからはチームのために頑張りたいと思えた」。ケガをして戦線離脱し、初めて見えたチームメイトの頑張り。「何が何でもチームのために」という気持ちを、田渕の心に刻み付けた。迎えたリーグ戦も、ベンチからの観戦。ひたすら応援に徹した。本来ならば、自分が立っていたはずのコートに今まで出したことのないような声でエールを送る。チームのことを思うと、声を出さずにはいられなかった。

 チームのため、皆のため。その気持ちが「体を動かしたのかも」と、ケガから1カ月あまりでコートに戻ってきた。復帰戦となる入替戦最終ゲームではそれまでケガをしていたとは思えないほどの動きで圧勝。「気持ちの面でも強くいることができた。皆のおかげです」。気持ちの弱さをぬぐい切れずにいたが、この入替戦で一皮むけたという。それもチームのおかげだと、笑った。
明るい性格でチームを盛り上げる
明るい性格でチームを盛り上げる

 
 今年から副将を務める田渕は部内でも憧れの的。「プレー面でも気持ちや意識の面でもお手本になる」(福田・理工1)「面白くて優しい」(橋本・政経3)とその魅力はさまざまだ。しかし、チームや仲間を何よりも大切に思う、その気持ちが慕われる一番の理由だろう。この秋もかけがえのないチームメイトと勝利を喜ぶために。田渕最後の戦いが、今始まる。

◆田渕雄喜 たぶちゆうき 文4 札幌一高出 180cm・65kg


●関東大学バドミントン秋季リーグ戦●
日程:9月10日(土)〜19日(月)
会場:日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館(神奈川県横浜市)
アクセス:東急田園都市線「青葉台」駅降車
東急バス4番のりば日体大行き、終点下車
ぜひ会場に足をお運び下さい。


次回の飛翔 2011秋季リーグ戦は9月8日(木)、末松(政経3)、橋本(政経3)をアップ予定です。お楽しみに。


[若槻春香]


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