
8回に適時打を放ち誇らしげな表情の野村
硬式野球部 野村投打に活躍!慶応に完勝/東京六大学春季リーグ戦
◆4・9〜5・29 東京六大学野球春季リーグ戦(神宮球場)
▼5・14 対慶応1回戦
○明治6―0慶応
○野村4勝1敗 ●竹内2勝2敗
これぞエースの仕事。野村(商4)が強力慶応打線に対し、3安打1四球7奪三振の完封勝ちで今季4勝目を挙げた。打線は2回に川辺(商4)の内野ゴロの間に先制すると、3回には中嶋(法2)の適時二塁打で追加点。終盤にも相手のエラーやピッチャー野村の2点適時打などでリードを広げた。野村は打っても2安打2打点の活躍。野村が投打のヒーローを独り占めし、慶応に完勝した。▼5・14 対慶応1回戦
○明治6―0慶応
1回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
慶応 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
明治 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | × | 6 |
初回からエンジン全開だった。1回、慶応3番・山崎への2球目が、自身最速にあと1キロに迫る148キロをマーク。捕手の川辺も「ブルペンからいい緊張感で投げられていた。甘い球がなかった」と初回を12球で簡単に3人で片付けた。今季、2度失点を許した「鬼門の初回」を乗り切れば、好投は必然だった。
最大のピンチは8回。先頭打者に二塁打浴びるなど1死一、三塁のピンチを招いたが、代打・影山(慶応)を空振り三振。続く辰巳(慶応)も一ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。これまで冷静に投げ続けたエースが、この試合の最大の山場を切り抜けてグラブを1度叩き、吠えた。どんなに重圧の懸かる試合でも必ず力を発揮する。圧巻の3安打完封劇だった。
フィールディングのうまさも好投手の条件だ。5回、初安打となる内野安打の走者を一塁に置き無死一塁。続く鈴木(慶応)のピッチャー前への送りバントに野村が猛ダッシュ。素早く捕球し、二塁へ正確に送球した。1−6−3のダブルプレーを完成させ、慶応の反撃の芽を摘んだ。ノーアウトから今日初めて打たれた安打が、完全に打ち取った当たりの内野安打という嫌なムードを、一瞬でもみ消した。

大学屈指の強打者・伊藤を完全に封じ込めた
伊藤(慶応)には全く自分のスイングをさせなかった。第1打席に四球を与えたが、その後は3打数無安打、1三振で大勢のスカウトの前で力を見せつけた。大学最強スラッガーにも、攻め方を変えて狙い球を絞らせなかった。伊藤への第2打席、強気にインコースのストレートを3球連続で続け、完全に詰まった当たりの二ゴロに仕留めた。第3打席は一変して変化球中心の攻め。最後も高めの変化球で空振り三振を奪った。9回2死走者なしの場面で迎えた第4打席は、変化球で追い込むと、最後はインコースのストレートで真っ向勝負。自己最速タイ149キロの速球に、鈍い音とともに伊藤のバットが真っ二つに折れた。ピッチャーゴロで、勝ち点を落とせば優勝の消えるカードの重要な初戦を締めた。「バッターを見ながら、サインを決めています」(川辺)と的を絞らせない川辺の好リードも光った。
打線は相手からもらったチャンスを確実に得点につなげた。2回の先制点は、阿部(寿・情コミ4)が四球で出塁すると、中村(将・法4)の絶妙な送りバントに、投手と三塁手が一瞬お見合い。一塁は間一髪アウトだったが、一塁走者の阿部(寿)がガラ空きの三塁へ激走し、一気に三塁まで進んだ。このプレーで1死三塁となり、川辺の三ゴロの間に先制点を挙げた。一瞬のスキを見逃さない走塁で試合の主導権を握った。3回には内野の送球エラーで出塁した田中(勇・法3)が、今日3番で起用された中嶋の適時2塁打で生還し追加点。中嶋はインコースの速球に上手く腕をたたんで振り切った。「ベンチを見たらみんながいつも以上に声を出していた。みんなが打たせてくれました」(中嶋)。仲間の声が後押しした。7回には2死から野村の中前打と田中(勇)のバントヒットで2死一、二塁とすると、打席には上本(商3)。バットの先に当たった難しい回転のかかった打球に、一塁手・鈴木がトンネル。二塁から野村が滑り込むまでもなく、満面の笑顔でホームインし貴重な3点目を挙げた。さらに8回にもパスボールと野村の2点右前適時打で3点を奪ってダメを押した。タイムリーを放った野村は「たまたまですけど、嬉しかったです」と喜んだ。6安打ながら、慶応の5失策の守乱に付け込み6得点を奪い圧倒した。
今日の勝利により立教戦で勝ち点を落として以後、5連勝。逆転での優勝へ、ここにきて明治の勢いが増してきた。「明日勝たないと意味がないから、今日のように気持ちで向かっていく」。今日の勝ちに満足せず、すでに明日を見据えた竹田主将(文4)の言葉は、ナイン全員の気持ちを代弁していた。
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (二) | 上本崇司 | 4 | 0 | 0 | .172 | 右飛 | 一犠 | 二飛 | 三失 | 投ゴ | ||||
2 | (三) | 小林要介 | 4 | 0 | 0 | .154 | 左飛 | 三振 | 遊ゴ | 左飛 | |||||
3 | (右) | 中嶋啓喜 | 4 | 2 | 1 | .350 | 左安 | 左二 | 遊ゴ | 一ゴ | |||||
4 | (一) | 竹田育央 | 3 | 1 | 0 | .286 | 中飛 | 四球 | 遊ゴ | 中安 | |||||
5 | (遊) | 阿部寿樹 | 3 | 0 | 0 | .192 | 四球 | 三振 | 遊ゴ | 二飛 | |||||
6 | (中) | 中村将貴 | 2 | 0 | 0 | .192 | 三犠 | 一ゴ | 三振 | 四球 | |||||
7 | (捕) | 川辺健司 | 3 | 0 | 1 | .267 | 三ゴ | 投ゴ | 三振 | 四球 | |||||
8 | (投) | 野村祐輔 | 4 | 2 | 2 | .267 | 三振 | 右飛 | 中安 | 右安 | |||||
9 | (左) | 田中勇次 | 3 | 1 | 0 | .091 | 遊失 | 遊ゴ | 一安 | 打撃妨害 | |||||
走 | 福元辰盛 | ― | ― | ― | .― | ||||||||||
左 | 中原北斗 | ― | ― | ― | .― |
名前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 安 | 四 | 振 | 責 | 失 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
野村祐輔 | 5 | 4 | 1 | 9 | 3 | 1 | 7 | 0 | 0 | 1.26 |

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