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柔道部  海老沼、代表選出へ 上川、無念の2位/全日本選抜体重別選手権

◆4・3〜4 全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)

▼66kg級
海老沼(商3)――1位
▼100kg超級
上川(営3)――2位

上川、ベテラン鈴木桂治に敗れる

4月3日から4日にかけて、全日本選抜柔道体重別選手権が行われた。本学からは、去年講道館杯を制し軽量級のエースとして期待されている海老沼(商3)
上川の技が光る
上川の技が光る
と次世代重量級として期待されている上川(営3)が出場した。結果は海老沼が初優勝、上川が2位でその期待に応え、その実力を全国に示した。

本大会は各階級の日本一決定戦と9月に行われる世界選手権の最終選考会を兼ねており、本大会での結果が日本代表選出に大きく影響すると言っていいだろう。
初日は男子90s級、100s級、100kg超級の3階級、級の試合が行われた。本学の上川は100kg超級で出場。同階級には、アテネ五輪の金メダリストの鈴木桂治(国士大教)、講道館杯、グランドスラム東京を制した高橋和彦(新日鐵)などが出場した。
 
 上川の1回戦の相手は立山広喜(日本中央競馬会)。去年の全日本選手権、講道館杯とビッグタイトルでは常に前に立ちはだかった選手だ。今回は相手の組み手を研究し、準備を整えて上川は試合に挑んだ。だが試合はお互いにあまり技が出ずこう着の状態に。危うく指導を取られそうになるシーンもあり、綱渡りの状態が続いた。だが終了に近い4分19秒、立山を払い巻き込みで豪快に一本。上川は因縁の相手を大舞台で乗り越えた。上川は試合後「試合前、勝てればいいなと思った。ただ今回は相手に元気がなかった。万全の調子で来られたら厳しい」と語った。
 
 2回戦は石井竜太(日本中央競馬会)と対戦。石井は去年まで東海大に所属し、上川は去年の団体戦で、石井に代表選の末に敗れた経緯がある試合も「相手の組み手中心だった」と語る上川。しかし、3分47秒に得意の内股で石井を畳に叩きつけた。この勝利で決勝進出を決め、大学入学以来、初めてビックタイトルを懸けた決勝に進んだ。
 
 決勝戦の相手は鈴木桂治との対戦となった。相手は百戦錬磨の柔道家であり、五輪メダリスト。試合は上川が指導2つを取り先行するものの、釣り手を持たせない相手の巧みな試合運びに苦しめられた。しかし試合時間残り30秒、大外刈りで投げに行く鈴木を上川が豪快に投げとばす。鈴木の体が宙を舞う。湧き立つ会場。たが次に審判の口からは「一本」ではなく「場外」の声がかかった。そして試合はGS(ゴールデンスコア)形式につれこもうとした。だが勝負の結末は人々の予想を覆す形で訪れる。試合終了直前、鈴木の大外刈りが炸裂。今度こそ「場外」ではなく「一本」の声がかかる。その瞬間、上川の挑戦は終わった。

100s超級の世界選手権出場には本大会と4月29日に行われる全日本選手権での好成績が必須だ。さらに国際大会でのポイントも重要な要素といえる。残念ながら上川は全日本選手権の予選で敗退し、本戦に出場はできない。さらに大規模な国際大会の優勝経験の無い上川にとって、代表選出にはかなり厳しい状況だろう。しかし今大会での活躍は、お茶の間に「上川大樹」の名前を知らしめたことに間違いない。

海老沼、選抜を初制覇

全日本選抜体重別2日目。この日は60s級、66s級、73s級、81s級が行われた。
66s級には代表候補として期待される海老沼が出場。66s級は内柴正人(旭化成)、。
苦しんだ末の優勝
苦しんだ末の優勝
江種辰明(警視庁)のベテラン二人以外は全員大学2、3年という非常に若さあふれる階級となった。その若手勢の中でも、講道館杯、グランドスラム東京を制した海老沼は一頭地抜けていると言えよう。しかし試合の方は精彩を欠き、苦しみながらの優勝となった。

 1回戦の小倉(東海大)戦、海老沼はポイントをなかなか奪えず苦戦する。危ないシーンもいくつもあったが、うまく体を返し対応する。この時を海老沼は「日本人だから助かった。パワーのある外国人だったら持っていかれていた」と振り返る。試合は危ない橋を渡りながら、GSに突入。結果はGSの1分43秒に相手が二つ目の指導を取られ、海老沼にポイントが入り、1回戦は辛勝で突破した。

 2回戦はベテランの江種を破った田中(筑波大)と対戦。この試合でも海老沼は振るわず、苦しい展開に。しかし相手が指導を3つ取られ、ポイントを取とった海老沼が勝利する。だがここまでの海老沼の戦いは非常に慎重であり、講道館杯、グランドスラムで見せた果敢な攻めとはうって変わったものだった。来賓席から「海老沼は講道館の時と比べると全然ダメだ」という声が漏れていた。試合後のインタビューで、海老沼は「練習でできたことができなった」と反省の弁を述べていた。

 そして迎えた決勝戦。相手は東海大の前野との対戦となった。決勝戦は激しい技の掛け合いとなった。まずは海老沼が背負いで技ありを取る。その後も激しい技のかけ合いとなる。だが終盤に海老沼の背負いが返されて技ありを取られGSに持ち込まれる。そしてGS開始25秒後、場外ぎりぎりで海老沼が仕掛け、技あり。その瞬間海老沼の初優勝が決まった。だがそこに講道館杯優勝の時のような喜びを爆発させるような姿はなかった。代わりに安どのような表情を浮かべる海老沼がいた。
 
 今大会終了後の強化委員会において、9月に行われる世界選手権の代表に海老沼が選出された。現在、柔道はランキング制度がもう設けられている。この制度は、主要な国際大会での順位によってポイントが入り、ランキングがつけられるものだ。世界選手権優勝で手に入るポイントは500ポイント。このポイントを海老沼が手にすることができるなら、ほかの選手を大きく付突き放し、五輪出場は万全のものとなる。さらに去年、オランダのロッテルダムで行われた世界選手権は日本男子勢金メダルなしという最悪の結果に終わっただけに、海老沼に寄せられる期待は大きい。しかし、今回の大会で海老沼に課題にも見えてきた。「(試合前に)気持ちを作ることができなかった」(海老沼)ということだ。今回の苦戦も、海老沼自身への期待がプレッシャーとなり、海老沼の動きを封じたと言っていいだろう。この課題は今後、ビッグタイトルを控える海老沼にとって厄介な問題となる。ロンドンの街を拝むためには、「プレッシャー」という霧を晴らす必要があるようだ。
[田中敬祐]

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