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選手とトライを喜ぶ梶村(右)


NEW MEIJI  〜最終章〜(28)梶村祐介 大学ラグビー界に名を残した男  

 19年ぶりの全国大学選手権決勝を果たし、古川満主将(商4=桐蔭学園)が率いた今シーズンは幕を閉じた。本企画「NEW MEIJI〜最終章〜」ではチームを引っ張った古川主将、梶村祐介(政経4=報徳学園)、前田剛(営4=報徳学園)、堀米航平(商4=流経大柏)の4人をピックアップします。
 重戦車だけの明治ではないことを証明した男だ。紫紺の「12番」を背負った梶村は2017年度の明治の顔といっても過言ではない。一度、ボールを持てば前へ前へとゲインラインを切り、時には相手からボールを奪いトライすると会場のファンを沸かせた。ラストシーズンで1番輝いた明治の怪物はついに引退を迎える。

トライ数8
 大学ラグビー界の歴史に残る名シーンを生み出した。1月2日に行われた大学選手権準決勝・大東大戦、17―14のわずか3点差でリードしていた後半20分。自陣22メートルライン手前でボールを保持していた大東大の河野主将から引きちぎるようにボールを奪うと敵陣右奥スペースへ蹴り返し、走り出した。ゴール前に転がったボールを相手がキックすると、すかさずチャージ。空中に上がったボールをキャッチしそのままインゴールへねじ込んだ。驚くべきは一瞬の判断力だ。「(チャージ後)後ろ向いたらみんなが上を見ていたのでボールが上にあるのがわかりました」と梶村。ターンオーバーからトライまで全て一人で成し遂げた。対抗戦・早稲田戦や選手権決勝の帝京大戦でもインターセプトで試合の流れを引き寄せるトライを演出した。
快進撃でトライを挙げた
快進撃でトライを挙げた

 今季のトライ数は対抗戦と選手権合わせて8トライ、チームで一番の記録だ。しかし、梶村は謙虚に「自分に求められているのはトライではなくて地味なこと。自分の強みはボールキャリーの力強さで、ゲインラインの突破力は他の選手に負けないというプライドを持ってプレーしたいです」と周りの選手を生かす姿勢を保ってきた。徹底的にアシストに回った昨シーズンのトライ数は0。「成長できなくて自信を失っていた」。しかし最上級生になった今年は、夏合宿で強みの突破力と走りへの自信を再確認するとアシストだけでなくチームで一番トライを取る選手になるまで成長を見せた。
突破力は自慢の武器だ
突破力は自慢の武器だ

真面目な男
 誰よりも真面目に、真摯にラグビーに向き合ってきた。「ラグビー理解力が足りない。各々がラグビーを考えて、ラグビーに対する熱を上げていかないと」。シーズン開幕前にそう熱く語った梶村。試合までの移動時間は相手チームの試合を動画で観戦。試合終了後も学生アナリストが用意した試合映像をアイパッドに入れてレビューを欠かさない。グラウンド外でもラグビーに触れる時間を大切にしていた。プレーはもちろん、ラグビーに対する姿勢もチームのお手本であり続けた。
 決勝終了後「この4年間は正直イメージしていた4年間ではなかったのですが、この1年間は充実した1年で個人的にもチーム的にも成長した1年で楽しかった」と清々しい表情で語った梶村。4月からはトップリーグ2連覇中のサントリーサンゴリアス入りが決まっている。トップリーグでの活躍、そしていつか日の丸を背負った姿を見せてほしい。

[長谷川千華]

◆梶村祐介(かじむら・ゆうすけ) 政経4 報徳学園高出 180p・95s
 副将。昨年はBKリーダーを務め、対抗戦ではゲームキャプテンを任せられるなど選手、コーチからの信頼は厚い。日本代表合宿へ呼ばれた経験も持ち、正確なパスやBK離れした強靭なフィジカルでディフェンスを突破しチームを前進させる。2015年度U20日本代表。趣味は映画観賞。

以下、インタビューが続きます

――副将を務めた1年間を振り返ってください

去年もリーダーとしてチームに携わって、今年は副将として1年間戦ってみて、対抗戦で慶應に負けて帝京大に負けてチームとして自信を失いかけていた時期もあったしチームとして自信をつかめた日もありました。話し合いは密にして、1年から4年までまんべんなくメンバーに絡んでいたので、全員で意思を統一しようとミーティングはかなり行いました。チームのピークが1月7日にもってこられて、チームで1年間戦っていく難しさを実感しました
充実の4年間を過ごした
充実の4年間を過ごした

――大学選手権の京産大戦前に話したことは
リベンジということはもちろん、ただリベンジだけでなくて圧倒して勝とうと話はしました。実際やってみてアウェーの中で、京産大は強みがはっきりしていてやりづらいチームでしたが負けなかったことは4年生の行動や日々の態度が影響したんじゃないかなと。

――決勝前に考えていたことを教えてください
4年間勝てていないチームとの試合は楽しみで、このメンバーでやる最後の試合でさみしい気持ちもあったし、ノンメンバーのためにも勝ちたいと思っていました。アップの準備も4年生がやって雰囲気もつくってくれて、やりやすかったです。あの試合のテーマが「NEWMEIJI」。中4日、寮生活でもグランド内でもこだわってやっていこうという話をしていました。負けは負けましたけど、今までの明治ではありえないような、準備してきたコンタクトやディフェンスを100パーセントに近いレベルでできたのは唯一の試合。それでも勝てなかったのは帝京大さんが強いから。

――昨年のチームと今年のチームの違い
やっぱり4年生。僕の代はAチームに4年生がいなくて、例年だとこの時期にしたのチームの試合がなくなって4年生のモチベーションも下がって、ウエートの温度差も出てくる。でも今年はそれがなくて、下のチームも上のチームのためにしっかり練習に取り組んで雰囲気を作ることを4年生が妥協せずにやってくれました。

――モチベーションが保たれていた理由は
7日に勝ちたいという気持ちだけだと思います。今までのチームは7日にいくイメージがありませんでしたが、田中さんがきて「1月7日にピーキングをもっていく」という話をして、決勝にいって勝つイメージを全員が持てていました。

――明治での4年間を終えて、今思うことは
僕が紫紺を着るのも終わってしまって、勝つためにこの大学に来て、ただ明治としてはファイナルゲームで今季のベストゲームを出すことができてやり切れたという思いが強いです。

――現在、ご自身にとって「前へ」という言葉はどんな意味を持ちますか
自分が迷った時に、もう一度原点に立ち戻らせてくれる言葉。個人としては思い描いていた4年間とは違いましたが、残りの1年で自分のパフォーマンスを上げることができたのはこの「前へ」という言葉が後押ししてくれました。

――4年間での1番の思い出を教えてくさい
4年目の学年飲み会ですね。バーベキューでネット通販で豚1頭買って6時間くらい丸焼きにしたことです。

――ありがとうございました

★次回は前田選手の記事をお届けします★



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