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取材に応じる石毛


ボールパーク便り  ルーキー特集(6) 先発投手陣の一角へ 強心臓の即戦力左腕 石毛力斗  

 毎年恒例の硬式野球部ルーキー特集。今年も全国からトップレベルの選手が入部してきた。その中でも活躍が期待される注目の選手を全8回にわたって特集する。

 キレのあるボールで相手打者をねじ伏せる。石毛力斗投手(文1=高崎健康福祉大高崎)は、多彩な変化球と最速144キロの空振りを取れる直球が持ち味だ。大学1年次春から中継ぎを中心に6試合に出場。チームで2番目に多い登板試合数を誇った。チームは5位と低迷したものの、石毛は防御率1点台とルーキーながら安定した投球を見せた。ワンポイントでの登板機会を確実に抑えてチームの信頼を勝ち取り、いずれは先発投手陣の一角へ。左のエースに成長する。

 決して平坦な道のりではなかった。野球と初めて出会ったのは小学1年生の時。二つ上の兄の練習についていったのがきっかけだ。そこから野球の魅力に取りつかれ、高校は甲子園出場経験のある群馬の強豪・健大高崎高へと進学した。入学後はすぐに頭角を現し、1年の夏からベンチ入り。3年ぶり二度目の甲子園出場の立役者となった。3回戦の山形中央高戦では先発を務め、3回1失点の投球で創部初の夏ベスト8へと導いた。「健大は左投手がエースを務める伝統がある。自分が左のエースになる」。その気持ちを胸に日々の練習に取り組んでいた。
 迎えた高校2年の夏、甲子園の舞台に立つ選手の中に石毛の姿はなかった。前年の甲子園直後の9月、新チームの土台作りで重要な時期に左肘を故障。手術の影響で1年近くまともに投げることができず、スタンドから選手たちに声援を送っていた。「正直つらかった」。投げることができないエースの苦悩は計り知れない。しかし、決して腐ることはなかった。仲間がグラウンドで汗を流す中、ケガの原因を突き止めるため一から自分のフォームを見直し、体の使い方を研究。さらには徹底した栄養管理を実践。マウンド外で地道な努力を積み重ね、徐々に本来のボールのキレを取り戻した。ケガで投げられない時期は「決して無駄ではなく、いい方向に傾いた」。スポーツ選手としての自覚が人一倍強いのは、誰よりもマウンドに立てない悔しさを知っているからだ。

 高校最後の試合が次への原動力となる。肘のケガを乗り越えた石毛は最後の夏、エースに返り咲いた。投げられなかった前年の悔しさを晴らすかのように県大会準決勝では9回完封の力投を見せ、決勝まで駒を進めた。相手は甲子園で優勝経験のある強豪・前橋育英高。前日の疲労が残る中での試合は、石毛が4回に前橋育英打線につかまり早々に降板。
チームは9回に同点に追い付くが延長戦の末、敗退した。「この悔しさをいつか晴らす」。石毛の力で甲子園に導くことはできなかったが、マウンドに立てないという、投手にとっての地獄から這い上がってきた左腕は前を向いた。
堂々としたマウンドさばきだ
堂々としたマウンドさばきだ


 未知の世界に足を踏み入れた。「高校卒業して夢だったプロ野球選手を目指したが、高卒プロにはなれなかった」。野球でお金を稼ぐレベルには自身の実力が足りていないことを痛感。今の自分には何が足りないのか。さらなる成長を追い求め、大学進学という選択肢にたどり着く。「明治が一番プロに近い」。昨年は柳裕也選手(平29政経卒=現中日ドラゴンズ)を中心にリーグ戦連覇を果たしており、六大学の厳しい環境で自分を成長させるため明大進学を決意。しかし、健大高崎から明大野球部へ進むことは前例がない。レールの敷かれていない道は、予想通り険しいものであった。「全員のレベルが高い」。そう語るように同期や先輩には、甲子園優勝や日本代表を経験したことのある投手が多い。周りからの刺激が強いためおのずと触発され、より厳しい練習を自分に課すように。自身のさらなる成長を望む石毛の選択に間違いはなかった。

 苦しい時期を乗り越えた今「野球は楽しくやるのが一番」と、一球一球投げることができる喜びを噛みしめている。神宮初登板は「緊張しなかった」と語る裏にはマウンド外での地道な準備がある。「試合中は常に相手打者の癖を観察し、どう抑えるかをイメージしている」。現在は救援中心の起用となっているが、今後先発での起用も十分に考えられる。“健大高崎の左のエース”から“明治の左のエース”へ。今日もマウンド外での準備を怠らない。

[桐山雄希]

 ◆石毛力斗 (いしげ・りきと) 文1 高崎健康福祉大高崎高 175p・78s 左/左 投手
お手本とする選手は、福岡ソフトバンクホークスの和田毅投手。伸びとキレのあるストレートを武器に三振を取る姿に憧れているそうだ。ちなみに六大学通算奪三振記録は和田の持つ476奪三振。前人未到の大記録更新にも期待だ
 次回のルーキー特集は8月29日(火)松下且興(商1=九州学院)です。お楽しみに。





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