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一進  (4)鈴木啓太アドバイザーインタビュー  

 見据えるのは3冠だけだ。昨季は2部降格もささやかれる「谷底世代」と呼ばれていた中、創部初の総理大臣杯優勝を達成。関東大学リーグ戦では4節を残す史上最速優勝で2冠を果たした。インカレではまさかのベスト8に終わるも、7人のプロ入りを輩出。下馬評を覆す圧倒的な強さと成績を誇った。
 今季の目標は昨季を超えること。そんな思いを込めて、チームスローガンは「一進」に定めた。昨年とあえて同音にし、原点に一度立ち返り一人一人が成長してチームの成長につなげるという意味だ。新主将にはエースストライカーである木戸皓貴(文4=東福岡)が就任。また、新たに鈴木啓太アドバイザーをはじめとする4人のスタッフを迎え入れた。「いい部分は残してプラスアルファで上積みしていかないと3冠には届かない」(木戸)。周囲から優勝校として見られる中で、悲願の3冠を成し遂げられるか。本特集はそんなサッカー部の1年を追い続ける。
 4月15日に迫った関東リーグ開幕。4月10日から、13日まで2人の副将対談、主将インタビュー、監督インタビュー、アドバイザーインタビューをお届けします。リーグ開幕前日である4月14日には瓦版を更新する予定です。
 第4回は今季からアドバイザーに就任された鈴木啓太さんのインタビューです。



――アドバイザー就任の経緯を教えてください。
 僕の知人である明治で以前寮母をしていた人が栗田監督とつながっており、そこの関係から今年の1月3日くらいに「どうだ」と電話が(栗田監督から)掛かってきました。現役引退してから一年ほど活動してきた中で、このような現場はあまり進んでやろうと思っていなかったです。でも、自分自身の勉強のためにも良い環境だと思いましたし、何事もチャレンジしてみようと思ったことが始まりです。スケジュール的な問題があったので、すぐに決めることはできませんでした。でも、明治は午前中の練習が多く、大学が始まると朝6時からの練習になると聞いて、最終的には引き受けさせてもらうことにしました。

――週にどれくらい来られていますか。
 明確に曜日は決まっていないですが、週2回です。だいたい火曜日、水曜日、木曜日が多くて、土日の試合は時間が空いていれば行くという形です。

――アドバイザーとはどのような役職なのでしょうか。
 そもそも僕自身が毎日練習を見に行けるわけではなく、公式戦にも行ける日と行けない日があるので、コーチではないです。そこで、栗田監督から「アドバイザーでいいのではないか」と言われて決まりました。でも、やっていることはコーチとあまり変わりません。

――以前から栗田監督と交流はありましたか。
 栗田監督と井澤千秋総監督も地元が同じ静岡ということで何度かありましたね。

――どのような形でチームと付き合っていこうと考えていますか。
 プロのサッカーチームでなくて学生のチームですので、4年間文武両道を志して、卒業後に社会で活躍できる人間形成を手伝うことが主だと話を受けました。そこにすごく共感しましたし、僕自身もここで学ぶことがあると思いました。その中で僕自身がプロの世界でやってきたことや選手たちに伝えられる経験を話していってほしいと言われました。明治にはプロのサッカー選手になりたい子が多いですから、そこでの経験や彼らに足りないもの、自信にしていいと部分を話していきたいです。

――実際に明大のサッカー部を見ていかがですか。
 技術レベルが高く、この中からプロの世界にいく選手もいると思っています。ただ、まだまだ足りない部分もあります。サッカーはこのレベルになると、強くボールを蹴られることや速く走れることは当たり前で、頭の中でプレーすることが大事になってきます。そこが少し足りないのですが、トップレベルで戦うためには実はそこが一番必要な部分になります。

――なぜ大学というカテゴリーを選びましたか。
  “指導者として”というのは、今はあまり考えていないです。もちろん、最終的にはサッカー界に戻りたいという気持ちはありますが、自分で事業もやっています。自分がこれから事業で組織を作っていく上で、大学はとても勉強になると思いました。大学という組織には、1年生から4年生へと成長していく中でそれぞれの役割があり、それを大学という決められた場所の中で経験できます。仕事やサービスをやっていく中で、目標を立てることやチームワーク、主体性など基本となる部分はサッカーチームと同じです。組織を作っていく上でのヒントが大学サッカー界トップの明大で学べると思いました。

――大学サッカー自体は以前から見ていましたか。
 見ていないです。練習試合などで対戦することはありましたが、大学リーグがどのような雰囲気かは分かりませんでした。昨日(東京都トーナメント決勝の国士大戦)初めて見に行きました。

――その決勝ではHTなどに選手たちに何か話しましたか。
 あんな試合はないだろうと思いました。見ていてどうでしたか?

――明大らしさが発揮し切れていない印象でした。
  それが答えなんです。応援してくれている人が見ている中で、あのようなサッカーだけはしてもらいたくないです。決勝戦だからもちろん緊張もあると思いますが、自信を失い恐れているようにも感じました。そのようなサッカーを見せているようではいけません。失敗することはたくさんありますし、僕だっていっぱい失敗してきました。それでも戦わなければいけないんです。僕が初めて選手たちに怒ったからびっくりしたと思います。




――選手たちからなんと呼ばれていらっしゃいますか。
 まだ話しかけてこないですね。僕から話すこともありますが、もうちょっと選手と良いコミュニケーションを取りたいと思っています。でも向こうも手探りなんだと思います。

――明大の選手で興味深い選手はいますか。
 何人もいます。一人の名前を挙げることはすごく難しくて、まだまだその選手が絶対に活躍するかどうかは分かりません。みんなに本当にチャンスがありますが、僕からすれば才能はあっても足りない部分がたくさん見えます。とても言い方は悪いですが、このくらいのレベルの選手はJリーグにごまんといます。でも、頭の中さえ変えることができたら(明大の)選手たちはもっと活躍できると思います。

――一番は選手を開花させたいという気持ちなのでしょうか。
 そうですね。サッカーってすごく難しいスポーツですけど、頭の中さえクリアになれば、もっとシンプルにプレーできてうまくなれます。「自分がこんなにうまくなれるんだ」と思ってもらいたいです。僕が30歳の時に浦和レッドダイヤモンズのミハイロ・ペトロヴィッチ監督に「お前もっとうまくなれるよ」と言われました。正直もう30歳で、プロを十年以上やってきて日本代表も経験していたので「これ以上うまくなるのかな」と思いました。でも実際に30歳から34歳までが1番サッカーがうまくなりました。本当に考え方だけでサッカーは上手になります。いつでもうまくなれるということを選手たちにも知ってほしいです。

――明大は紙一重でプロになれなかった選手が多いです。
 紙一重で足りない部分こそが実はすごく大きな差なんです。同じ世代のプロ選手は、生活を懸けた上で18歳から30歳以上までいる世界で戦っています。でも、この大学4年間でその差を埋めるだけではなくて、活躍できる選手にならないといけないです。僕はその差を埋めることは並大抵の努力ではできないと思います。

――一方でトップチームに上がれるにも関わらず、明大で4年間培うという選手もいます。
 いいと思います。例えば、世界的に有名な選手が高校生から試合に出ていたりする中で、何かが足りないから大学に行くことになります。出場機会に恵まれないトップチームに行くのではなく、しっかりと大学で経験を積み、試合や練習をたくさんこなそうとする考え方はものすごく良いと思います。頭の良い選択です。ただ裏を返せば、自分に覚悟があって「俺はもうプロで絶対やるんだ」と思う人間もいるかもしれないので、そこはどっちが正しいかは分かりません。でも、明治を選択して4年間頑張ろうとする姿勢はすごく素晴らしいと思います。

――リーグ戦も始まってきますがどのような関わり合いをしたいとお考えですか。
 僕自身の1年は4年生にとってみれば最後の1年であり、1〜3年生にとってはその中の1年とそれぞれ異なりますが、とにかく選手たちにサッカーがうまくなってもらいたいです。そして『この1年ですごく成長できた』と思ってもらうことが、僕が今関わらせてもらっている仕事の意味だと思っています。


第5回はリーグ戦の展望を瓦版でお送り致します。更新は明日、4月14日予定です。
お楽しみに!

[渡邊弘基]


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